転生したら「鉄道時刻表」だった件

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創刊100年、月間発行10万部超──紙の「鉄道時刻表」はなぜ今も生き残っているのか。検索全盛の時代に、重量級の冊子がなお支持される理由とは。貨物時刻表から駅弁情報まで、数字の羅列が旅情と情報を編み出す“紙のインフラ”の現在地に迫る。

自己紹介

時刻表(画像:写真AC)
時刻表(画像:写真AC)

 吾輩は、鉄道時刻表である。名前はあるといえばあるし、ないといえばない。一般には、ただ単に時刻表と呼ばれている。ある朝、なにか気がかりな夢から眼をさますと、吾輩が寝床の中で長方形の分厚い体に変わっているのに気づいた。元は人間だったが、気づけば中身が数字だらけの鉄道時刻表と化していた。今回は吾輩の視点から、鉄道時刻表について話をしていこうと思う。

 これは新たな評論のスタイルである。“マジガチ”のコメントはくれぐれもお控えください。

※ ※ ※

 吾輩の中身は数字と地名でぎっしり詰まっており、文章らしい文章など見当たらない。だがその無骨さが、なんともいえぬ味わいを醸し出す。いうなれば、旅人の夢を数字で編んだ地図である。

 表紙をめくられ、ため息まじりに「重いな……」と呟かれるたび、なんともいえぬ郷愁と誇らしさが交差する。ああ、吾輩は今月も、旅人の手に握られているのだと。

 ちなみに、吾輩の本籍は「大型」だが、分家には「コンパクト」な者もいれば、「地方限定」「貨物専門」「私鉄特化」など、さまざまな血族がいる。一族については、追って詳しく語るとしよう。

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