税関はここまで見ている! 500万円級中古車の「不正輸出」が即バレする理由
AEO認定がもたらす通関スピード革命

2000(平成12)年に横浜港で導入された大型X線検査は、現在では全国15か所に拡大している。効果は顕著で、従来2時間かかっていた検査が10分で完了し、所要時間は9割短縮された。
空港の手荷物検査と同様の仕組みで、異常が検知された場合のみコンテナを開封する。麻薬などの密輸を確実に防ぎながら、通関の迅速化も実現している。リスクの高い貨物は徹底的に調べ、問題のない貨物は速やかに通す。相反する目標を両立させた、合理的かつ無駄のない管理手法といえる。
2006年に導入された認定事業者制度(AEO)は、セキュリティと法令遵守の体制を備えた事業者に対して税関手続きを簡素化する特典を付与する仕組みだ。最大の利点は、NACCSにおける区分1の適用率が上がる点にある。申告と同時に許可が下りるため、通関のスピードは格段に上がる。
もっとも、認定取得には高いハードルがある。
・貨物の安全管理
・コンプライアンス体制
・内部監査の実施
など、クリアすべき要件は多い。それでも認定を受ければ、時間とコストの両面でメリットが大きく、税関との信頼関係も築ける。今では経費削減にとどまらず、競争力強化の手段として制度を活用する企業も増えている。
事前教示制度も非常に有効だ。輸出前に関税分類や関税率を税関に照会すれば、30日以内に文書で回答が得られ、通関時にも公式見解として有効となる。この回答は原則3年間有効であり、事前の不安解消につながる。特に中古車では、改造の有無が関税分類に影響を及ぼす。分類が変われば税率が変動する可能性がある。
・エアロパーツの装着
・エンジンの載せ替え
・足回りの変更
など、改造内容によって税番が変わることは少なくない。こうしたリスクを避けるためにも、事前の確認は不可欠だ。なお、改造とは自動車の機能・性能・形状・用途を実質的に変更する行為を指す。例えば、エアロパーツひとつでも、単なる外観変更か、性能向上を目的とした装備かで、税関の判断が分かれる場合がある。