船の歴史は「推進力の歴史」──5000年を超える進化が描く海運の未来

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船舶の推進技術は手漕ぎから蒸気、ディーゼルを経て、今は環境対応燃料や電動化へ急速に進化。スクリュープロペラ導入で効率・安全性が飛躍。LNGや水素燃料が脱炭素を促進し、日本郵船の新推進装置が未来を拓く。船舶は持続可能な社会の象徴へ変貌している。

2050年構想が拓く船舶動力の転機

「帆」のイメージ(画像:Pexels)
「帆」のイメージ(画像:Pexels)

 地球環境への配慮が強く求められる現代において、船舶の推進技術も「ゼロエミッション」実現へ向けて大きく舵を切りつつある。なかでも注目されているのが、水素燃料を使った次世代推進技術だ。

 水素は燃焼時にCO2を排出しないため、究極のクリーンエネルギーとして期待が高まっている。大阪・関西万博では、会場までの実証運行も進められており、実用化への動きが具体化しつつある。

 また、かつて主力だった「帆」が再び注目を集めている。風力を利用する帆や、回転翼によるローターセイルを補助推進として活用する技術が登場している。これにより、燃料消費を抑えながらの航行が可能になる。

 風力と現代技術の融合は、脱炭素社会に向けた新たなソリューションとなり得る。

 日本郵船は2018年に「NYK Super Eco Ship 2050」を発表し、業界に先駆けてゼロエミッションの船舶構想を打ち出した。その中で、従来のプロペラではなく、複数のフラップ状のフィンをイルカの尾びれのように動かす新型推進装置の導入を検討している。

 この技術が実用化されれば、近い将来、船舶の推進力はプロペラから大きく転換する可能性がある。

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