船の歴史は「推進力の歴史」──5000年を超える進化が描く海運の未来

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船舶の推進技術は手漕ぎから蒸気、ディーゼルを経て、今は環境対応燃料や電動化へ急速に進化。スクリュープロペラ導入で効率・安全性が飛躍。LNGや水素燃料が脱炭素を促進し、日本郵船の新推進装置が未来を拓く。船舶は持続可能な社会の象徴へ変貌している。

LNG化が進める燃料転換の加速

 20世紀に入り、内燃機関が本格的に普及すると、船舶の推進力は一気に近代化した。なかでも主力となったのがディーゼルエンジンである。燃費効率が高く、長時間の連続運転にも耐えられることから、大型貨物船やタンカー、フェリーで広く採用されている。

 一方、高速性が求められる軍艦や大型客船ではガスタービンエンジンも導入され、スピードと出力の両立が図られてきた。

 推進力の源となる燃料も変化してきた。蒸気船時代には石炭が使われていたが、次第に石油へと移行した。近年では地球温暖化対策の観点から、「LNG(液化天然ガス)」などの代替燃料を採用する船舶が増加している。

 これらの代替燃料は、重油に比べて二酸化炭素や硫黄酸化物の排出量が少ない。環境負荷を低減できる点が評価され、今後の主力燃料として注目されている。

 さらに電動推進の技術も進展している。港湾内や短距離航路を走るフェリーでは、バッテリー駆動のEV船が登場しており、ノルウェーを中心に欧州ではすでに商業運航が始まっている。

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