高田馬場駅前はなぜ「不法占拠」されたのか? 西武鉄道が50年以上「黙認」――そんな土地が排除される令和現実、違法性を超えた社会的実態とは

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高田馬場駅前で「不法占拠」とされた店舗群が排除された。背景には、地価49.4%上昇や再開発計画、鉄道会社の資産戦略転換があると考えられる。だが、都市の隙間に宿った零細商業と市民の支持は、単なる違法性を超えた社会的実態を築いていた。

非効率零細店の都市活力論

高田馬場(画像:写真AC)
高田馬場(画像:写真AC)

 結局、長年続いた店舗群が排除されたのは、違法だからではなく、経済的価値が生じたためだと考えられる。

 これまで、狭く不整形な土地は十分な建物を建てられず、役立たないとして放置されていた。しかし近年の都市開発では、大資本がこうした小さな余白の活用に積極的になっている。その中で、不法占拠は許されないという正論が急に強調されるようになった。つまり、違法だから排除されたのではなく、利益を生むために排除されたのだ。法的正当性は後付けの理由に過ぎず、真の理由は経済合理性である。

 しかし、不法占拠の問題があるとしても、これで本当によいのだろうか。すべてを効率化し、隙間なく最適化された都市は、一見合理的に見える。しかし、新しいものが生まれる余地は乏しい。

 立ち食いそば屋や学生向けの安い飲み屋、地域密着の個人商店など、大資本から見れば非効率な零細商店こそが、都市に活力と多様性をもたらしてきた。整備された街は確かに美しいが、そこには偶然の出会いも思いがけない発見もない。消費を最大化するためだけに整備された街に、本当の活力は生まれにくいのである。

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