欧州が「日本の軽自動車」にひれ伏す日! 1.5万ユーロ以下が絶滅寸前、市場を壊した“制度疲労”の正体とは
小型車再評価の地域戦略

グローバル経済はブロック経済化の兆しを強めている。これにより従来のグローバル戦略モデルは機能不全に陥りつつある。為替リスクや関税政策、物流のボトルネックが経済的破綻を招く要因となっている。
これに代わって注目されるのが、ローカルニーズに根ざしたモデルだ。地域設計主義への転換が進んでいる。特に小型車は、南米やアセアンなどの市場で利益を生み出す構造が期待されており、再評価の余地が大きい。
ステランティスも開発の主軸をグローバルからローカルへと移行させている。エルカン氏は、新CEOのアントニオ・フィローザ氏を自動車産業がグローバルから多地域へ移行する時代に適任と評価している。フィローザ氏は南米のアルゼンチンやブラジル、北米市場の統括経験があり、規制や関税、政治対応において世界動向と合致していることが強調されている。
一方、欧州がeカーの立ち上げを模索するなかで、日本の軽自動車がコスト面や理論面で適応できるかは疑問が残る。欧州の厳しい安全基準を考慮すると、軽自動車そのものの欧州市場参入は高いハードルが立ちはだかる。
そのため、軽自動車単体の輸出ではなく、軽自動車の制度パッケージを輸出し、規格化していく道が現実的だ。もし欧州のニーズに合った新たな制度が誕生すれば、日本勢は軽モデルをベースにした開発で優位性を示すことが可能になるだろう。
中国にも軽自動車に近い小型車規格が存在し、その存在は脅威となっている。微型車や小微型電動車と呼ばれ、ホイールベースは2000mmから2300mm、全長は3650mm以内で全幅に規制はない。
上海通用五菱汽車の「宏光(ホンガン)ミニ」はこのカテゴリーに属するEVで、日本円で約50万円で販売されている。中国ではほかにも多数の低価格小型EVが市場に出回っている。