欧州が「日本の軽自動車」にひれ伏す日! 1.5万ユーロ以下が絶滅寸前、市場を壊した“制度疲労”の正体とは

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日本の軽自動車制度が、月額8.4万円以下のEV「eカー」構想として欧州に波及しつつある。背景には、高騰する小型車価格と制度負担の重圧。今、製品ではなく“制度パッケージ”の輸出が、新たな市場創出のカギを握る。

マイクロEV再定義の胎動

フィアット・500A(画像:フィアットジャパン)
フィアット・500A(画像:フィアットジャパン)

 かつての欧州市場には、手頃な価格で誰にでも届く小型車が多く存在していた――。

 ステランティス傘下のフィアットは、1936年に初代「フィアット500(チンクエチェント)」を発売。ふたり乗りの小型車「500A」は、イタリア語でハツカネズミを意味する「トポリーノ」の愛称で親しまれた。1957年には、479ccエンジンを搭載した2代目500を投入。日本ではルパン三世の愛車として知られ、今なお多くの愛好家を惹きつけている。フィアット500の大衆的人気は、フィアットをイタリアを代表する巨大企業へと押し上げる原動力となった。

 しかし現在、欧州市場からは安価な小型車が姿を消しつつある。エルカン氏の指摘によれば、2019年には販売車両のうち、1万5000ユーロ(約250万円)未満のモデルは49車種、販売台数は約100万台にのぼった。だが現在は、該当する車種はひとつのみ、台数も10万台未満に縮小している。背景には、

・環境規制
・安全基準の強化

がある。これにより、小型車が過剰なコストを負担せざるを得なくなり、市場から排除される結果を招いた。こうした空白に対し、フィアットは2023年7月、往年の「トポリーノ」をマイクロEVとして再び投入。ルノーも「5(サンク)」の名称を復活させ、小型EVの再定義に動いている。

 両社が目指すのは、単なる復刻ではない。過去の成功モデルをベースに、小型車の新たな意味と価値を問い直す試みである。

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