欧州が「日本の軽自動車」にひれ伏す日! 1.5万ユーロ以下が絶滅寸前、市場を壊した“制度疲労”の正体とは
日本の軽自動車制度が、月額8.4万円以下のEV「eカー」構想として欧州に波及しつつある。背景には、高騰する小型車価格と制度負担の重圧。今、製品ではなく“制度パッケージ”の輸出が、新たな市場創出のカギを握る。
小型車の販売比率2割

欧州市場で小型車の価格が高騰している背景には、厳格な安全基準の存在がある。各種の衝突試験に加え、歩行者保護性能の確保が義務付けられている。2022年以降は、
・先進運転支援システム(ADAS)
・自動ブレーキ
・レーンキープアシスト
・ドライバー異常検知機能
の搭載が義務化された。これらが車両価格を押し上げる要因となっている。
一方で、小型車の販売台数は減少傾向にある。メーカーにとっては、設備投資や開発費の回収が難しく、結果として価格上昇の悪循環に陥っている。欧州自動車工業会(ACEA)によれば、欧州の新車販売に占める小型車(A・Bセグメント)の比率は約2割にとどまり、ここ10年あまりで縮小が続いている。
小型車市場が縮小し、空白地帯になりつつあるとの危機感が、ステランティスやルノーによる小型車復権の動きを促したと考えられる。
都市交通が地下鉄やトラム、バスなどで整備されても、人々は移動の自由を求める。その選択肢として乗用車の需要は根強い。特に
「小さく、安く、使える」
小型車には、欧州の都市部で依然として潜在的なニーズが存在している。
しかし現実には、車両価格や維持費の高騰に加え、駐車規制の強化といった障壁が立ちはだかっている。こうした要因が販売増加につながらない理由となっている。
さらに、若年層を中心にクルマ離れの傾向が進んでいる。EVのサブスクリプションサービスやマイクロモビリティといった代替手段への関心は高まっているものの、小型車市場の縮小を食い止める決定打には至っていない。