ディーラーはなぜ「クルマより保険」を売りたがるのか? 「5台売っても意味ない」──顧客を縛る“見えない鎖”の正体とは

キーワード :
,
クルマ1台の報酬は1万円、保険1件で数万円――。ディーラー営業の世界では、いまや保険が評価と収入を左右する主戦場だ。現場の実体験を通じて、その知られざる構造と営業の葛藤を描き出す。

年収左右する一件の保険契約

自動車ディーラーのイメージ(画像:写真AC)
自動車ディーラーのイメージ(画像:写真AC)

 ディーラーの営業担当が保険を勧める背景には、いくつもの事情がある。

・生活のための収入
・会社からの厳しいノルマ
・将来の営業効率を見据えた顧客の囲い込み

そうした思惑が複雑に絡み合っている。

「押し売りのように感じた」と振り返る人もいるだろう。だがその裏には、評価が下がる、給料が減る、次回の来店につなげたいといった営業側の切実な事情がある。

 もちろん、営業担当の立場ばかりを擁護するつもりはない。ただ、本稿を読んだ誰かが次にディーラーで保険の話を受けたとき、

「あの人たちも苦しい立場なんだな」

と少しでも感じてくれれば、現場にとっては大きな支えになるはずだ。

全てのコメントを見る