「即日車検」はなぜ最短45分で終わるのか?――スピード整備を支える指定工場、コスト半額の正体とは

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最短45分、費用は約5万円──車検が“当日完了”する即日サービスが拡大している。全国に7800万台以上ある四輪車市場で、利便性を武器に支持を集める一方、安全性とのせめぎ合いも。急伸する即日車検の仕組みと課題を読み解く。

即日車検が拡大する背景

自動車整備工場(画像:写真AC)
自動車整備工場(画像:写真AC)

 定期的に受ける必要がある車検とは、自動車検査登録制度の略称である。道路運送車両法に基づき、公道を安全に走行できる状態かどうかを確認するための検査だ。

 かつてはディーラーに依頼するのが一般的だったが、近年は事情が変わってきた。カー用品店や車検専門店の登場により、「即日車検」サービスの利用が広がっている。従来の車検は2~3日、長ければ1週間かかることもあった。しかし現在では、大手チェーンや専門業者のサービスを利用することで、

「最短1時間から数時間」

で完了するケースも珍しくない。その日のうちに車を受け取れるようになってきた。

 国が定める法定24か月点検では、エンジンやブレーキ、灯火類といった安全基準に適合しているかをチェックする。一方、即日車検ではこの点検項目のうち、車検に合格するために必要な部分だけを短時間で確認する。消耗部品の交換や大がかりな整備など、緊急性の低い項目は後日に回すケースが多い。

 そんな即日車検を支えているのが、指定整備工場(民間車検場)の存在である。指定整備工場は、国土交通省から自社での車検実施を認められている。これにより、陸運支局への車両持ち込みが不要となる。現場での点検・検査・書類作成を一括で行うことで、大幅な時間短縮が可能になる。このように、即日車検は

・必要最低限の検査に絞ること
・検査プロセスの一体化

によって成立している。スピードと利便性が求められる現代において、即日車検はなぜ広まり、どのような仕組みで成立しているのか。本稿で詳しく見ていく。

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