「外車に乗ってます(ドヤァ」は時代遅れ? バブル期39万台超えの神話崩壊、Z世代が冷笑する“意味なき見栄消費”の行方とは
「外車=成功者」は過去の話。1996年に39万台超を記録した輸入車ブームは、Z世代の合理主義により転機を迎えている。高級車ブランドが誇る“格”は、もはや選ばれる理由にならない。SNS時代の若者が重視するのは、見栄でなく納得だ。
新世代が壊す車の記号性

かつてメルセデス・ベンツやBMWといった欧州車に乗ることは、それだけで社会的成功の象徴とされていた。外車を所有することが、成功者としての記号だった時代だ。
しかし今、その価値観は明らかに変化している。特にZ世代(1990年代後半から2010年代前半に生まれた世代)などの若年層では、
「高級車 = ステータス」
という構図そのものが機能しなくなっている。ブランドの格や見栄といった外的要素に、強い意味を感じない世代が増えている。欧州車にまとわりついていた“なんとなく格上”といった空気は、説得力を失いつつある。
この価値観の原型は1980年代後半から1990年代初頭、いわゆるバブル期に形成された。円高の進行や関税の影響で価格は高止まりしていたが、それでも欧州車を選ぶ消費者は増加した。外車は単なる移動手段ではなく、成功の証としての記号性を帯びていた。
当時は消費に意味や見栄を求める傾向が強く、車のブランドが自己演出の一部だった。メディアや広告もそのムードを後押しした。外車は、経済力や社会的地位を可視化するツールとして受け止められていた。所有すること自体が、他者との差別化や優位性を示すラベルとして機能していた。
実際、輸入乗用車の新規登録台数はこの時期に大きく伸びた。1996(平成8)年には39万台を超え、過去最高を記録している(日本自動車輸入組合)。この数値は一過性のブームではない。外車が現実的な選択肢として社会に浸透していったことを示している。