日産GT-R NISMOも認めた性能! しかし「100万円超え」の壁──カーボンセラミックブレーキは市販車に普及できるのか
日産GT-R NISMOが標準装備するカーボンセラミックブレーキは、鋳鉄製の約半分という軽量性と、高負荷環境下でも揺るがぬ制動性能で次代の技術基盤を築く。市場規模は2030年に約930億円へ、年7.8%の成長率が示す拡大の兆しと、コスト低減による普及への可能性とは。
卓越した性能

カーボンセラミックブレーキは、従来のブレーキシステムとは一線を画す技術である。自動車の運動性能を飛躍的に高める可能性を持つ。最大の特徴は、ブレーキローターに炭素繊維強化セラミックを用いている点にある。
この素材は、F1マシンや航空機で使われてきたカーボン系ブレーキの技術を土台としている。市販車向けには、カーボンファイバー強化シリコンカーバイド(C/SiC)という複合素材が主に採用されている。
カーボン素材を使ったブレーキの歴史は、1970年代の航空宇宙分野にまでさかのぼる。1980年代にはモータースポーツ分野にも導入され、優れた
・耐熱性
・軽量性
が高く評価された。
2000年代に入ると、この技術は市販の高性能車にも広がっていく。2002年には、フェラーリ・エンツォが世界で初めてカーボンセラミックディスクを標準装備した。以降、スーパーカーや高級車を中心に採用が進んでいる。
カーボンセラミックブレーキは、高速域からの急制動や、サーキット走行のような高負荷環境で真価を発揮する。その高性能の理由は、素材特性と構造設計にある。