「コンパクトSUV」が選ばれる根本理由! 止まらぬ「ちょい高級」化、手の届く贅沢に熱視線の現実
小型SUVに宿る価値感

自動車メーカー各社は、独自のアプローチでユーザーのニーズに応えようとしている。マツダの「CX-3」は、特別仕様車「ビビッドモノトーン」で上質さを追求した。ツートーンルーフと黒を基調としたアクセントにより、精悍な印象を演出する。購買意欲を刺激するデザインに仕上がっている。運転席には10ウェイパワーシートとポジションメモリー機能を標準装備。他社の同クラス車種と比べても優位性がある。
ホンダのヴェゼルは、高級コンパクトSUVの先駆けとされる。上級グレードでは、柔らかな素材や丁寧な縫製を取り入れ、限られた室内空間で最大限の高級感を演出している。「WR-V」も、シンプルながら質感の高い内装が特徴だ。細部の仕上げにもこだわりが感じられる。
トヨタのヤリスクロスは、小型ながら高級感と実用性を両立している。全長4180mm、全幅1765mm、全高1590mmとコンパクトで、現行「ハリアー」(全長4740mm、全幅1855mm、全高1660mm)よりひと回り小さい。都市部での取り回しがよく、高速走行時の安定性も高い。上級グレードになると、インテリアの質感は一段と向上し、美しいステッチワークも随所に施されている。
予算に余裕がある層には、レクサスの「LBX」も選択肢となる。サイズはヤリスクロスとほぼ同等ながら、本革とスエード素材のコンビシートなど、内装の上質さが際立つ。価格は420万円からと手頃とは言いがたいが、高級ブランドの価値をコンパクトSUVで体験できる点は大きな魅力だ。
日産の「キックス」は、広い室内空間と高品質素材に加え、体への負担を軽減するシート設計を採用。長時間の運転でも疲れにくく、子育て世代にも配慮した設計となっている。スズキの「フロンクス」は、赤に近いボルドーカラーのレザー調素材を用いた内装が特徴。カスタマイズ性とデザイン性の高さを両立している。
これらに共通するのは、限られた車内空間を最大限に活用しながら、細部の質感を高めるという思想である。小さくても上質という価値観を、各社が明確に形にしてきている。