JR恵比寿駅で「ロシア語隠し」トラブル そもそも多言語表記はいつ始まったのか?

キーワード :
, , ,
JR東日本が恵比寿駅西口改札内にあるロシア語の乗り換え案内表示を覆い、インターネット上で話題になった。そもそも多言語表記はいつ頃から盛んになったのか。

北海道ではメジャーなロシア語表記

京都府舞鶴市(画像:(C)Google)
京都府舞鶴市(画像:(C)Google)

 こうしたロシア語表示の増加は、京都府の舞鶴市など日本海側の貿易港などでも見られたが、特に積極的だったのは、北海道の稚内市だ。

 海をはさんでサハリン(樺太)を臨む稚内市では、ペレストロイカ以降になると買い物目的のロシア人やカニ漁船の入港数が増加した。それを受けて、同市ではパンフレットの作製や話者の配置、案内表示の設置に熱心に取り組んだ。

 現在でも、稚内市はロシア語にあふれている。道路の案内表示のみならず、商店街でもロシア語表示が当たり前だ。恵比寿駅のように「不快だ」という声が稚内市に寄せられたという話はまだ聞かない。

 現在はコロナ禍で低調なものの多言語表記は訪日客を増加させる要素としても、極めて重要だ。現在、英語は当たり前になっているが、世界で英語を理解する人の数は決して多くない。すべての言語に対応できないとしても、周辺諸国の言語を準備することは肝要だろう。

 言うまでもなく、ロシアのウクライナ侵攻は断じて許されないことだ。しかし、ロシア語そのものに何の罪もない。先日にはロシア料理店への嫌がらせも発生した。長きにわたって形成された他国の文化を尊重することなく、また物事を熟考することなく、ただただ直情的にふるまうその行為は、良識ある多くの人たちにとって、到底受け入れられるものではないだろう。

 多様性が叫ばれる現在、「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」はもはや時代遅れなのだ。

全てのコメントを見る