まだ都会で通勤してるの? 近距離手当があるのに「在宅勤務手当」がない企業は時代遅れ! 54%通勤減、7割が週3日以下勤務希望の現実とは

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在宅勤務の普及とモビリティ経済の変革に伴い、企業の制度設計が根本的な転換を迫られている。近距離手当が存在する一方で在宅勤務手当が欠如している現状は、時代遅れの制度に固執し、競争力低下や優秀な人材の流出を招くリスクをはらんでいる。企業は柔軟で公平な制度設計にシフトし、従業員の生産性向上とワークライフバランス実現を目指すべき時だ。

モビリティ経済下の制度格差

通勤イメージ(画像:写真AC)
通勤イメージ(画像:写真AC)

 近距離手当(オフィスに近い場所に住んでいる従業員に対して支給される手当)があるのに、在宅勤務手当がない会社は、すでに時代遅れと言わざるを得ない。モビリティ経済が変革期を迎えている今、企業制度の設計はもはや単なる福利厚生ではなく、競争力や持続可能性を左右する経営課題である。

 働き方や人々の移動を取り巻く環境は、かつてないスピードで変化している。移動に対して補助を出す「近距離手当」を維持しながら、自宅で働くことへの補償が一切ない――。こうした制度設計は、現代の労働環境と乖離していると言わざるを得ない。

 在宅勤務が一般化し、企業と社員の関係性そのものが変わりつつある今、旧来型の制度にしがみつくことは、優秀な人材の流出や生産性低下といったリスクにつながる可能性が高い。企業は「働く場所」に対する価値観の変化を直視し、制度を柔軟に見直す必要がある。

 本稿では、このような企業が抱える制度上の矛盾をモビリティ経済の視点から掘り下げるとともに、今後求められる制度設計の方向性を提示する。

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