クルマに乗る人間は「加害性」と向き合うべき? 環境負荷、事故リスク、倫理的ジレンマ…モビリティ社会の矛盾・欲望の構造を考える

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自動車は現代社会において不可欠な移動手段だが、その背後には責任と矛盾が潜む。環境負荷や社会的影響を無視できないなか、ドライバーは自らの「業」をどう受け止めるべきか。車の利便性とその代償を考察し、持続可能なモビリティ社会の在り方を問う。

業の自覚が、持続可能なモビリティ社会の入口に

人口10万人・自動車保有台数1万台・自動車1億走行キロ当たりの交通事故死傷者数及び死者数の推移(画像:内閣府)
人口10万人・自動車保有台数1万台・自動車1億走行キロ当たりの交通事故死傷者数及び死者数の推移(画像:内閣府)

 それでも筆者は、こうした業の意識を否定すべきではないと考える。むしろ、自動車とともに生きることの葛藤や矛盾を直視し、自覚的になることが、モビリティ社会の成熟に必要不可欠だ。

 車を単なるツールとして使いこなすには、それをめぐる欲望や社会的構造に無自覚ではいられない。

・環境への責任
・他者との関係
・ライフスタイルへの依存

これらを引き受けつつ、便利さを選ぶ。それこそが、2020年代のモビリティの倫理的態度ではないか。

 自動車に乗ることは、現代社会で逃れられない選択であると同時に、己の欲望や限界を映し出す鏡でもある。だからこそ、自動車を運転する日常のなかで、私たちは自分自身の業を見るのだろう。

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