日本に「戦車」は本当に必須なのか? 防衛省も認める削減方針に、なぜか「軍事オタク」が猛反発するワケ 海空優先vs感情論の衝突を考える
日本の戦車保有数は減少の一途をたどる。島国である日本にとって、戦車は死活的戦力ではないからだ。だが、一部の軍事オタクは「戦車不要論」への反発を繰り返す。彼らは抽象的思考を苦手とし、防衛政策全体の視点を欠いている。現実には、日本の安全保障力100パワーのうち、戦車の価値は0.1にも満たない。なぜ彼らは通用しない理屈を振りかざすのか――その背景を徹底検証する。
海空優先を理解できない

三つめは、防衛政策の焦点を理解しない誤りである。
日本にとっての想定戦場はどこだろうか。海と上空である。仮想敵国中国なら東シナ海であり、さらに西大西洋と南シナ海である。実際に日本はこれらの海とその上空で中国と対峙している。
そこで活躍する戦力は何か。軍艦と航空機である。特に
・軽空母
・駆逐艦
・フリゲート
・潜水艦
・補給艦
といった外洋艦と、
・哨戒機
・艦載ヘリ
・艦上戦闘機
といった海洋航空機だ。戦車はそこに入らない。陸上戦力でも水陸機動団や対艦ミサイル、対空ミサイル、は活躍の余地はあるが、内陸決戦戦力、そのなかでも戦車と自走砲には使い道はない。
この三つが「それは『戦車不要論』だ」の誤謬である。いずれも防衛政策の前提を見誤っており、見当違いなのである。