日本に「戦車」は本当に必須なのか? 防衛省も認める削減方針に、なぜか「軍事オタク」が猛反発するワケ 海空優先vs感情論の衝突を考える
日本の戦車保有数は減少の一途をたどる。島国である日本にとって、戦車は死活的戦力ではないからだ。だが、一部の軍事オタクは「戦車不要論」への反発を繰り返す。彼らは抽象的思考を苦手とし、防衛政策全体の視点を欠いている。現実には、日本の安全保障力100パワーのうち、戦車の価値は0.1にも満たない。なぜ彼らは通用しない理屈を振りかざすのか――その背景を徹底検証する。
国難思想との結合

ふたつめは、仮想敵国の日本本土侵攻を必至とみなす誤りである。
「それは『戦車不要論』だ」は、仮想敵国による日本上陸戦を前提としている。かつてのソ連であり、いまは中国が日本本土に攻め込むところが出発点である。
しかし、その蓋然性(事象や主張が起こりうる確率)は低い。
日本本土への上陸侵攻は難しい。自衛隊単体でも強力であり、しかも日米同盟も存在すしている。旧ソ連では不可能であり今の中国にも厳しい。
そもそも、対日上陸戦の雰囲気もない。かつてのソ連にはその準備はなかった。むしろ日本による北方領土奪還を警戒していた。今の中国にも日本本土侵攻の予兆はない。これも「それは『戦車不要論』だ」の誤りである。根底には
「敵国は日本を滅ぼそうとしている」
といった宗教的な国難思想がある。だが現実世界はそうなってはいない。