自動車エンジニアは「保守的」「右傾化」しやすい? 車好きはトランプ支持? 業界特性とキャリアが思考を左右、米国研究を考える
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工学と政治思想の交差点

世界的に政治的な分断が進行している。米国では、2020年の大統領選挙で都市部と農村部の支持層が大きくわかれた。同じ国内でありながら、まるで異なる意見を持つ人々が対立している状況が浮き彫りになった。2024年もしかり。また、英国ではブレグジットを巡る意見の対立が激化し、欧州連合(EU)離脱を支持する勢力と反対する勢力との間で深刻な亀裂が生じている。これらの現象は、政治的な意見の違いが政党間の争いを超えて社会全体の分断を引き起こしていることを示している。そんななか、職業ごとの政治的傾向はどうなっているのだろうか。
米ブルックリン大学のミッチェル・ランバート氏らは、2016年9月に「Econ Journal Watch」で発表した研究で、米国の主要大学40校の教授陣の支持政党を調査した。この調査は、
・経済学
・歴史学
・ジャーナリズム/コミュニケーション学
・法学
・心理学
の分野にわたる7243人の教授を対象に行われた。結果、
・民主党支持者(Democratic Party):3623人
・共和党支持者(Republican Party):314人
で、民主党員と共和党員の比率は圧倒的に差があった。具体的には、共和党を「1」とした場合、民主党は
「11.5」
となり、その差は極めて大きい。この結果は、アカデミアやマスコミの民主党寄りの傾向を改めて示すものであり、従来の認識を超える偏向があるといえるかもしれない。調査対象の五つの分野における「D:R比」は次の通りだ。
・経済学「4.5:1」
・歴史学「33.5:1」
・ジャーナリズム/コミュニケーション学「20.0:1」
・法学「8.6:1」
・心理学「17.4:1」
となった。
この調査から、文系学問分野の専門家は民主党支持が多いことが浮き彫りになった。では、理系分野はどうだろうか。例えば、エンジニアは問題解決に特化した思考を持つ職業であり、その考え方が政治思想にどのように影響を与えるのかは興味深い。