自動車エンジニアは「保守的」「右傾化」しやすい? 車好きはトランプ支持? 業界特性とキャリアが思考を左右、米国研究を考える
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エンジニアは保守的になりやすいのか。米国研究が示す驚きの実態。自動車産業を支える技術者たちの政治的傾向を解剖。製造業エンジニアはIT系より保守的、女性はリベラル…その背景には、業界の特性、キャリア、そして教育の問題が。技術と政治の狭間で揺れるエンジニアの姿を追う。
エンジニアに求められる政治的視点

産業系エンジニアには政治的に保守的な傾向があるとされる。しかし、エンジニアリングは公共の利益に貢献する重要な役割を担い、技術の普及が社会に与える影響を考慮する必要がある。未来のモビリティ業界を支えるエンジニアに求められる視点とは何か。
2019年12月、米イリノイ州シカゴのロヨラ大学の研究チームが「Journal of Engineering Education」に発表した研究では、エンジニアリングを学ぶ学生にとって、技術的アイデンティティーと政治的アイデンティティーの両方を育むことが重要だと指摘している。
研究チームは米国北東部の三つの教育機関で、工学部の学生20人にインタビューを実施。政治に対する見解を調査した結果、彼らは政治の関与に対して、以下の三つの“わだかまり”を抱いていることがわかった。
・政治的な出来事に触れる機会が限られていること
・政策が公共の利益を考慮しつつも、私的な利益を優先する傾向があること
・政治が工学と密接に関わっているという現実への戸惑い
である。こうした“わだかまり”を解消し、エンジニアの政治参加を促すには、教育課程の構造的な変化が求められる。
政治を無視するエンジニアは、不健全な法律を嘆くだけでなく、政策に影響を与えるために積極的に関与すべきだろう。学生の段階から政治への理解を深めることが必要だと、この研究は示している。
これは日本にも当てはまる。持続可能な社会を目指す上で、エンジニアの政治参加は今後さらに重要になっていくに違いない。