自動車エンジニアは「保守的」「右傾化」しやすい? 車好きはトランプ支持? 業界特性とキャリアが思考を左右、米国研究を考える

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エンジニアは保守的になりやすいのか。米国研究が示す驚きの実態。自動車産業を支える技術者たちの政治的傾向を解剖。製造業エンジニアはIT系より保守的、女性はリベラル…その背景には、業界の特性、キャリア、そして教育の問題が。技術と政治の狭間で揺れるエンジニアの姿を追う。

技術革新と政策介入が生むジレンマ

自動車(画像:Pexels)
自動車(画像:Pexels)

“モノづくり”に専念するエンジニアは、現実の現象を正確に把握する必要がある。このため、実用主義的な思考が求められる。特に営利企業に属する場合、市場原理を重視し、経営視点を持つ実利主義的な姿勢も必要になる。

 自動車産業や社会インフラ、防衛産業などでは、政策が深く関与するケースも少なくない。“モノづくり”を通じて「よりよい社会」を目指す以上、イデオロギー的な要素が避けられない側面もある。

 発明家として独立して生きるなら話は別だが、政策の影響を無視できない立場にいるエンジニアは、政治的な保守思想を完全に無視することは難しいだろう。

 例えば、研究室で開発されたばかりの新素材を使えば、人類史上最も頑丈な橋を建設できるかもしれない。しかし、前例のない工事である以上、失敗するリスクも高い。

 もし失敗が許されない状況なら、従来の資材や建築方法を採用する保守的な選択肢が現実的になる。一方、よりリベラルな科学者であれば、新素材を研究室で試験し、その後に実際の環境で何度もテストするアプローチを取るかもしれない。

 ただし、この方法には十分な資金と時間が必要だ。失敗が許容される環境にいる研究者は、ある意味で恵まれているといえる。しかし、現実のエンジニアの多くは、そのような余裕のある立場にはいないのが実情だろう。

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