「海外で知名度低すぎ」 セントレア開港20周年も“独り負け”の現実! 旅客数は羽田の「1/9」 リニア開業でさらなる危機? 挽回なるか
中部国際空港(愛知県常滑市)は開港20周年を迎えたが、旅客数は低迷している。北米便は運航しておらず、欧州便も夏季ダイヤに限定された1路線のみとなっている。三大都市圏の国際空港の中で、“独り負け”の状況が続いている。
コロナ禍前に戻らない旅客数

中部国際空港は2005(平成17)年2月の開港。伊勢湾上の人工島にある24時間運用可能な空港として愛・地球博(愛知万博)に合わせて華々しくスタートを切り、2005年度に国内、国際線合計で1200万人を上回る旅客を達成した。旅客機の発着回数も2005~2007年度に年間10万回を突破し、空港内の飲食店に長い列が続くのが当たり前だった。
しかし、好況は長続きしなかった。2008年のリーマンショック以後、需要が急速に冷え込む。訪日客増で持ち直しても、今度はコロナ禍が追い打ちをかけた。国際線は多いときで世界42都市を週486便が結んだが、3月1日現在でアジアが大半の26都市、週330便にとどまる。年間発着回数は2023年度で約8万5000回。10万回復活への道は険しい。
旅客数は2023年度で約920万人。2024年度は1月末までで約910万人あり、年間を通じれば2023年度をわずかに上回りそうだが、開港直後やコロナ禍前の1200万人にはとても及びそうもない。
2023年度の国内空港旅客数ランキングを見ると、中部国際空港は8位。三大都市圏の国際空港で比較すると、
・羽田空港(東京都大田区)の「9分の1」
・成田空港の「4分の1」
・関西空港の「3分の1」
でしかない。伊丹空港(兵庫県伊丹市など)や福岡空港(福岡市博多区)、新千歳空港(北海道千歳市など)、那覇空港(沖縄県那覇市)にも後れを取っている。