「海外で知名度低すぎ」 セントレア開港20周年も“独り負け”の現実! 旅客数は羽田の「1/9」 リニア開業でさらなる危機? 挽回なるか
中部国際空港(愛知県常滑市)は開港20周年を迎えたが、旅客数は低迷している。北米便は運航しておらず、欧州便も夏季ダイヤに限定された1路線のみとなっている。三大都市圏の国際空港の中で、“独り負け”の状況が続いている。
低迷続く20周年

開港20周年を迎えた中部国際空港(愛知県常滑市)の旅客が低迷している。北米便はなく、欧州便も夏ダイヤ限定の1路線だけ。三大都市圏の国際空港で“独り負け”状態だ――。空港に乗り入れる名古屋鉄道の中部国際空港駅から旅客ターミナルへ向かう。国際線カウンターは5、6人待ちと混雑しておらず、昼どきの飲食街も空席があちこちに。
成田空港(千葉県成田市)や関西空港(大阪府泉佐野市など)は訪日外国人観光客の殺到で混雑が深刻さを増しているのに、3月中旬に訪れた中部国際空港にそんな気配はなかった。
「この空港は電車が混まないし、手続きも待たなくていい。関西空港と違って楽だわ」
韓国の60代女性4人組は軽い昼食を取りながら、笑顔を見せる。来日はこれが3回目。これまでは関西空港を利用して京都や大阪を旅したが、今回は岐阜県の下呂温泉(下呂市)や白川郷(白川村)を訪ねるため、初めて中部国際空港を利用したという。
欧米系の旅客がいないのも目立つ。唯一の北米便だった米デルタ航空のデトロイト便は2023年に運休した。欧州便はフィンエアーのヘルシンキ便があるが、夏ダイヤ限定路線で、3月末まで運航していない。