AIが自動車を「人間化」? テスラ・ウェイモ・トヨタが挑む自動運転2.0──手信号も読む“考えるクルマ”の正体

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自動運転車が生成AI技術によって「考えるクルマ」に進化し、複雑な交通状況にも柔軟に対応できる時代が到来した。テスラやウェイモをはじめとする先進企業は、AI技術を駆使し、自動運転の新たな可能性を切り開いている。日本国内でも、生成AIと自動運転の融合が加速し、より安全で効率的な交通社会の実現が期待される。しかし、技術の進化には依然として課題も多く、今後の進展に注目が集まっている。

課題解決の鍵はハイブリッド型

自動運転のイメージ(画像:写真AC)
自動運転のイメージ(画像:写真AC)

 自動運転技術に生成AIを組み合わせた「自動運転2.0」は、従来の「自動運転1.0」に比べて大きな可能性を持っている。しかし、いくつかの課題も残されている。

 最大の課題は「説明可能性」の確保だ。生成AIはブラックボックス的な性質を持ち、その判断の過程を説明することが難しい。これにより、規制当局や交通参加者に対して車両の安全性を証明するのが困難となり、走行許認可取得の障がいとなる可能性がある。

 また、レアケース(稀に発生する特殊状況)への対応も重要な課題だ。想定外の状況での挙動をどう保証するかは依然として解決すべき問題だ。

 こうした課題に対する解決策として、従来の「自動運転1.0」と生成AIを活用した「自動運転2.0」を組み合わせたハイブリッド型モデルが注目されている。このモデルでは、通常の走行シーンでは従来型のシステムを使用し、安全性が実証されている。複雑な状況では、生成AIの柔軟な判断を活用する方法が採られる。

 さらに、自動運転のレベル分け(レベル0~5)という観点から見ても、現在市場に普及しているレベル2(部分運転自動化)の技術が高度化しており、ハンズオフ運転が可能なシステムを搭載した車両が国内メーカーのほぼすべてに登場している。

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