自動車業界の救世主は「ココリコ遠藤」なのか? 1998年の伝説ギャグ「ほほほほーい!」が示す感情マーケティングの力! 理由なき熱狂こそが起爆剤だ

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日本の自動車産業は、技術革新に注力する一方で消費者との「感情的つながり」が欠如している現状に直面している。今後は、車が単なる移動手段に留まらず、個性やライフスタイルを表現するツールとしての価値を提供することが、業界の成長を左右するカギとなる。

27年前に誕生したギャグ

自動車(画像:Pexels)
自動車(画像:Pexels)

 先日、深夜の業務を終えた後、筆者(ハプスブルク吉野、ビークル愛好家)は疲れ切った体でネットサーフィンをしていた。スクロールを続けているうちに目に留まったのは、YouTubeにアップされた「遠藤章造 愛ほほほほーいー」という、わずか30秒の動画だった。思わず「懐かしい……」とつぶやいていた。

 まず、このネタを簡単に説明しよう。「愛 ~ほほほほーい~」(正式名称)は、1998(平成10)年4月に放送された『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ系)の企画「ココリコとリットン調査団の対決」に端を発し、その後5月に放送された『ハイテンション ザ・ベストテン』では、サンバのリズムに合わせてブリーフ一丁で踊る姿が視聴者に強烈な印象を与え、遠藤章造の代表的なギャグとなった(2023年9月5日付け『お笑いナタリー』)。

「サンバのリズムを知ってるかい」

というフレーズを耳にしたことがある人も多いだろう。この「ほほほほーい」には特に意味がないことは明白だ。しかし、それが逆説的に視聴者の心を掴み、記憶に残る文化的な位置を築いたのではないだろうか。

 自動車ライターの筆者は、このパフォーマンスを久々に見て、ふと思った。

「これこそ、今の日本の自動車産業に必要な要素なのでは?」

というわけで、今回はこの突飛な仮説を真剣に検証していきたいと思う。最後までお付き合いください。

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