日産「崖っぷち」からの大逆転なるか? 800億円赤字、工場閉鎖…「技術の日産」再興でスバル化戦略? e-Powerの未来どうなる

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日産自動車は、2025年3月期第3四半期決算で800億円の純損失予測を発表する一方、事業再生に向けたターンアラウンド戦略の進展も示した。特に、2026年度までに4000億円のコスト削減を目指し、生産能力の削減や選択と集中を進める方針だ。これにより、日産は「シン・技術の日産」の実現に向けた新たな道筋を模索している。

目指すべき「スリム化」「選択と集中」

日産ターンアラウンドの進捗(損益分岐台数の引き下げ)(画像:日産自動車)
日産ターンアラウンドの進捗(損益分岐台数の引き下げ)(画像:日産自動車)

 日産が目指すべき方向は、「スリム化」と「選択と集中」の徹底である。最適な解決策は、スバルのような特化型ブランドへの転換だろう。

 スバルは、日本と米国を中心に事業を展開し、水平対向エンジンを搭載したシンメトリカルAWDやアイサイトによる先進運転支援システムで他社との差別化を図っている。米国市場では、BMWを超える高い利益率を記録しているともいわれる。

 日産も全方位的なグローバルブランドを目指すのではなく、スバルを手本に独自技術を活かし、特定市場に絞り込むことで経営資源を集中させることが、今後の成長のカギとなる。

 かつての「技術の日産」を取り戻すためには、こうした方向性をどこまで真剣に追求し、実現できるかが重要だ。日産の再生は、まさに正念場を迎えており、「シン・技術の日産」がどのように変貌していくのか、今後の動向を注視していきたい。

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