日産「崖っぷち」からの大逆転なるか? 800億円赤字、工場閉鎖…「技術の日産」再興でスバル化戦略? e-Powerの未来どうなる

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日産自動車は、2025年3月期第3四半期決算で800億円の純損失予測を発表する一方、事業再生に向けたターンアラウンド戦略の進展も示した。特に、2026年度までに4000億円のコスト削減を目指し、生産能力の削減や選択と集中を進める方針だ。これにより、日産は「シン・技術の日産」の実現に向けた新たな道筋を模索している。

ハイブリッド技術の岐路

2025年2月25日発表。主要11か国と北欧3か国の合計販売台数と電気自動車(BEV/PHV/FCV)およびHVシェアの推移(画像:マークラインズ)
2025年2月25日発表。主要11か国と北欧3か国の合計販売台数と電気自動車(BEV/PHV/FCV)およびHVシェアの推移(画像:マークラインズ)

 日産の再生戦略に対しては異論が多く、特に同社のハイブリッド技術「e-Power」に対する懐疑的な意見が目立つ。

 日産は、第三世代「e-Power」の投入により、初代モデルと比べてコストを20%削減し、燃費を20%改善、さらに米国市場で課題となっている高速走行時の燃費も大幅に向上すると主張している。

 しかし、短期的には「e-Power」は日本や東南アジア市場で有効なハイブリッド技術である一方、EVシフトが加速すれば、その価値は急速に薄れる可能性が高い。EVへの早期移行が望ましいとの意見も根強い。

 また、軽自動車やPHVなどの技術開発に関しては、

「三菱自動車との協業に徹する方が効果的」

という意見もある。特に軽EVの開発では、低コストを実現することが重要であり、日産単独での開発は困難との見方も強い。日産がこれらの分野で独自開発にこだわるならば、長期的に競争力が著しく低下する可能性がある。

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