なぜ英国人は「グレーの自動車」を選ぶのか? 7年連続No.1の理由! 14年ぶりトップ3入りした「青」の意味とは?

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英国で2024年に最も売れた車の色は7年連続で「グレー」。新車登録の27.8%を占め、過去最高のシェアを記録した。2位は「黒」、3位には14年ぶりに「青」が返り咲き、EV人気とも関係があるとされる。英国市場での色の選択は経済や心理とも密接に関わっており、再販価値の観点からもモノクロームが主流。変化の兆しはあるものの、道路が鮮やかに彩られる日はまだ遠いかもしれない。

無難な色が売れる理由

cap hpiのウェブサイト(画像:cap hpi)
cap hpiのウェブサイト(画像:cap hpi)

 グレーの長期にわたる人気について、自動車査定会社「cap hpi」の上級査定編集者クレイグ・ブリッジマン氏は、オート・エクスプレス誌に対し、

「グレーの人気を上回る色が出ることはほとんどないだろう」

と語っている(2025年1月18日付け)。リスクが少ない色を選ぶ国民性に加え、珍しい色合いの車は、一般的に再販価格が魅力的ではないからである。茶色と、「鮮やかな黄色やピンクのような非常に明るい色」は危険である。

「グレーとブラウンの全く同じ車が2台あったとしたら、グレーは数週間で売れ、ブラウンは数か月かかるかもしれない」

「中古車(約1万5000ポンド)が2台あって、1台がグレーでもう1台がブラウンだったとしたら、後者は再販価値で300~500ポンド下がる可能性がある」

その結果、多くの人が利用するリースでは、月々の料金が高くなってしまうことになる。珍しい色は、盗難される可能性が低くなるが、そういったデメリットがある。

 メーカーのルノーは、新型ルノー5をポップイエローとポップグリーンという鮮やかな色で提供することで、「英国の道路に生きる喜びをもたらす」ことを望んでいると述べた(2025年1月18日付け『ザ・アイリッシュ・ニュース』)。

明るい色があふれるにはもうしばらく時間がかかりそうだ。

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