なぜ英国人は「グレーの自動車」を選ぶのか? 7年連続No.1の理由! 14年ぶりトップ3入りした「青」の意味とは?

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英国で2024年に最も売れた車の色は7年連続で「グレー」。新車登録の27.8%を占め、過去最高のシェアを記録した。2位は「黒」、3位には14年ぶりに「青」が返り咲き、EV人気とも関係があるとされる。英国市場での色の選択は経済や心理とも密接に関わっており、再販価値の観点からもモノクロームが主流。変化の兆しはあるものの、道路が鮮やかに彩られる日はまだ遠いかもしれない。

英国の人気色の推移

景気のイメージ(画像:写真AC)
景気のイメージ(画像:写真AC)

 車の色を選ぶには、「個人の心境」や「景気」が影響するという説が世間にはある。英国の車市場には93色もの選択肢があったが、2024年に登録された新車のほぼ3分の2(64.5%)はモノクロームというと、陰鬱な気分にもなるかもしれない。

 しかし2011年からトップ3はモノクロームで占めていて、2018年からは順位が固定だったのに、7年ぶりにトップ3に変化があり、色が加わったのは、明るいニュースではないか。

 社用車だけで見ると、白の方が青よりも好まれていた(3位)が、個人消費者は青を選んだので増えたようである。今回、グレー、黒に続き青が3位になったことで、白が4位(14.9%、前年比マイナス7.2%)になった。マーケットシェアは青と同じ14.9%だが、299台差で4位だった。そこに赤(7.0%、前年比マイナス4.1%)が続く。

 日本からすれば、暑い国ではないとはいえ、白人気の低さは信じがたいが、英国にも過去22年の間で白が一番人気の時代もあった。ロンドンで夏季オリンピックが開かれた翌年2013年から2016年である。青がもっと人気だったときもあり、2003年から2005年にかけては2位で、2006年から2010年にかけては3位に下がった。ロンドン同時多発テロは2005年7月であった。

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