なぜ英国人は「グレーの自動車」を選ぶのか? 7年連続No.1の理由! 14年ぶりトップ3入りした「青」の意味とは?
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英国で2024年に最も売れた車の色は7年連続で「グレー」。新車登録の27.8%を占め、過去最高のシェアを記録した。2位は「黒」、3位には14年ぶりに「青」が返り咲き、EV人気とも関係があるとされる。英国市場での色の選択は経済や心理とも密接に関わっており、再販価値の観点からもモノクロームが主流。変化の兆しはあるものの、道路が鮮やかに彩られる日はまだ遠いかもしれない。
青人気の妥当性

青人気が上昇した理由について、各誌・サイトを調べたが、それに言及しているものはなかった。ただ青人気の妥当性について述べていた記事がふたつあった。
『オート・トレーダー』のニミシャ・ジェイン氏は、
「英国のドライバーが青い車を好むのは、本質的にブリティッシュ・カラーなので、まったく驚くことではありません」
と指摘する。英国旗ユニオンジャックに使われるのはロイヤルブルーである。英国王室を象徴する色でもある。
「青色自体には、ロイヤルブルー、スカイブルー、ターコイズ、ティールなど、非常に多くの選択肢があります」
『ザ・テレグラフ』のクレイグ・トーマス氏は、
「青は、電気について考えるときにほとんどの人が思い浮かべる色。自動車メーカーは発売されるEVの多くに、この色を採用しています」(2023年3月7日付け『ザ・テレグラフ』)
EVが新車登録数の5分の1前後を占める英国だからかもしれない。
さらに、SMMTの解釈では、EVはグリーンパワーであることから、緑の人気も高まっている。もともと緑色は、「毒」「不吉」などをイメージさせる色とされてきた歴史があるのだが、6万8230台で7位(3.5%、前年比プラス27.7%)だった。過去20年間で最も人気となっている。緑については、「2024年は、チャーリー・XCX(シンガーソングライター)のアルバム「ブラット(brat)」によってネオングリーンが夏の色として流行したから」とジェイン氏は書いてもいる。
逆に、最も人気のない色はピンク。2023年から31.0%減少でわずか145台だった。