なぜ地方政治家は「交通問題」にダンマリ決め込むのか? 高齢化社会で深刻化する移動格差! 公約集から読み解く“不都合な真実”とは

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地域交通の活性化が進む中、政治家の公約における交通政策の位置づけは依然として難航している。公共交通の整備には時間がかかり、即効性がないため、選挙での票に結びつきにくい。しかし、生活者の移動環境を改善することは、福祉や地域開発と密接に関連し、社会的な関心も高い。政策実現に向け、業界団体の主導による政治家輩出が今後のカギとなる。

マニフェストに欠けるモビリティ

政治家のイメージ(画像:写真AC)
政治家のイメージ(画像:写真AC)

 本稿を執筆するにあたり、マスコミが選挙時に掲載する各党の政策比較記事を改めて見直した。テレビ局や新聞社が各党および候補者の公約をまとめる際、過去5年間で主要なテーマとなっているのは

・政治とカネの問題
・経済政策
・子ども・子育て政策
・社会保障
・外交・安全保障
・憲法改正
・ジェンダー

だ。

 公共交通やモビリティ、生活者の移動環境に関する政策は、「子ども・子育て政策」や「社会保障」に含まれてもよさそうだが、実際には医療費削減や医療サービス向上、学校給食の無償化、保育料や高校以上の学費無償化、年金増額といった項目が主な政策トピックとなっている。

 党の中央政策の方針を地方政治家が引き継ぐのは一般的だが、地域公共交通活性化協議会が各地で設置されているにもかかわらず、地域交通の活性化を公約に掲げる地方政治家は驚くほど少ない。

 大学では、人間の基本的な欲求である「モノ」「場」「情報」を得るために、公共交通が極めて重要だと教える。地域生活の基盤は

「移動支援」

にあり、モビリティの重要性は再認識されるべきだ。しかし、政治家の関心は低く、マニフェストやマスコミの政策評価においても、交通分野が取り上げられる機会は少ないのが現状である。

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