熱海 vs 三島──私が断然「三島派」のワケ! インスタ映え観光の終焉? リピーター率7割の魅力を考える

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SNS時代の観光振興において、三島市は地域固有の魅力を活かし、持続可能な観光地づくりのモデルを示している。富士山や三嶋大社など、観光資源の本質的な価値を大切にし、リピーターを生み出す戦略が安定した成長を支える。今後の観光地づくりに重要な示唆を与える事例として注目される。

満足度で差別化、三島のリピーター戦略

三島スカイウォーク(画像:写真AC)
三島スカイウォーク(画像:写真AC)

 静岡県の統計によると、2022年度の熱海市と三島市の観光客数は以下の通りだ。

●熱海市
観光交流客数:522万8009人
宿泊客数:249万1786人
観光レクリエーション客数:273万6223人

●三島市
観光交流客数:609万2496人
宿泊客数:41万9325人
観光レクリエーション客数:567万3171人

 観光交流客数(宿泊客数 + 観光レクリエーション客数)で比較すると、温泉地として名高い熱海市よりも三島市の方が多くの観光客を集めている。宿泊客数では大きな差があるものの、総観光客数では三島市が上回っているのが特徴だ。一見すると地味な印象のある三島市だが、その観光資源は多彩だ。

・歴史ある三嶋大社
・富士山の絶景
・清流が美しい源兵衛川

といった伝統的な観光スポットに加え、

・伊豆フルーツパーク(2013年開業)
・三島スカイウォーク(2015年開業)

といった新たな施設も加わり、着実に魅力を増している。2019年に三島市が実施したアンケート調査では、次のような結果が出ている。

・県外は関東からが7割
・日本人はリピーターが7割。外国人は初来訪が9割を占める
・日本人に認知度が高いのは三島スカイウォークと三嶋大社、外国人は、認知度が高いのは三島スカイウォーク
・日本人、外国人とも各施設の満足度は高い。特に、日本人は三嶋大社、外国人は源兵衛川の満足度が最も高い
・情報媒体は、日本人が「テレビ」「人から聞いた」が多い一方、外国人は「人から聞いた」と「Facebook」が多い

このデータからもわかるように、三島市は

「リピーター」

が多く、満足度の高い観光地として定着している。また、情報収集の手段として、日本人がテレビや口コミを重視している点も興味深い。SNS全盛の時代にあっても、テレビの影響力は依然として大きいことがうかがえる。

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