遠足の鉄板ネタ「バナナはおやつに入りますか?」 長年の論争に終止符? 実は「最適な選択」だったワケ
食と移動の合理性

「バナナはおやつに入りますか?」
この問いは、日本の遠足文化において「鉄板ネタ」となっている。子どもたちはこの質問を担任教師に投げかけることで、場を和ませ、遠足への期待感を高める。表面的にはユーモラスな議論に見えるが、その背後には意外にも合理的な思考が隠れている。
当媒体はモビリティ経済を扱うため、今回は「バナナ = おやつ論争」を単なる言葉遊びとして片付けることなく、食の合理性や
「モビリティ(移動)」
の観点から見ても優れた選択肢であることを深掘りして考察する。さらに、遠足という移動行為において、なぜバナナが適しているのかを探ることで、この鉄板ネタが示す新たな可能性を見出すことができるだろう。
アンケート結果から見える食文化

オタク系の記事を配信するウェブメディア「おたくま経済新聞」のX(旧ツイッター)アカウントは、2023年5月16日から5日間にわたってアンケートを実施し、348票を集めた。アンケートの内容は
「小学生時代あなた(お子さんの場合でも可)が通っていた学校または担任の先生の方針は、『バナナはおやつのお金に含まれていましたか?』」
というもので、選択肢は「バナナはおやつ(含まれた)」「バナナはおやつ扱いではなかった(含まれなかった)」「質問したことがない(記憶にない)」の三つだった。結果は、
・バナナはおやつ(含まれた):7.5%
・バナナはおやつ扱いではなかった(含まれなかった):34.2%
・質問したことがない(記憶にない):58.3%
となった。このデータから、多くの家庭や子どもたちにとって、バナナが「おやつ」として認識されていなかったことがわかる。
その背景には、バナナが果物としての側面を強く持つことが挙げられる。つまり、
「おやつ = お菓子」
というイメージが強い場合、バナナはそこに含まれにくい。一方で、同じ果物であるりんごやみかんは、明確におやつとして扱われるケースが多い。では、なぜバナナだけがこうした議論を呼ぶのだろうか。