首都高「ETC専用化」への疑問! 現金ユーザーを排除? 渋滞は本当に解消する? 便利になるのは結局誰なの? メリットと課題を探る

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首都高速道路の「ETC専用化」は、渋滞緩和や安全性向上、コスト削減を狙う一方で、現金車排除や新インフラ導入にともなう課題も浮き彫りとなっている。2025年度から55か所の料金所がETC専用化され、2028年春までに多くの入口料金所が切り替わるが、普及進展にともなう排除的影響や渋滞解消の限界も懸念される。

55か所ETC化で効率化加速

ETC専用レーン(画像:写真AC)
ETC専用レーン(画像:写真AC)

 首都高速道路が進める「ETC専用化」の動きが加速している。2025年度には新たに55か所の料金所がETC専用化され、2028年春までに入口料金所の大半がETC専用化される予定だ。この取り組みは、一見すると効率化の象徴のように映るが、それだけで語り尽くせるものではない。

 ETC専用化には、

・渋滞緩和
・安全性向上
・運営コスト削減

といった明確なメリットがある。現金車とETC車が混在する現状では、料金所での停車や発進が繰り返され、交通の流れが滞ることが多い。また、有人ブースの維持には人的リソースやコストが必要なため、無人化による効率化は時代の要請ともいえるだろう。さらに、ETC専用化は

「ロードプライシング」

を実現する基盤でもある。混雑状況に応じて通行料金を変動させる仕組みであり、交通需要を分散させる目的を持つ。東京湾アクアラインでの実験では、一定の効果が確認されている。

 一方で、利便性の向上を謳うこの取り組みには、現金車の排除や新たなインフラ導入にともなう課題も浮き彫りになっている。本稿では、首都高のETC専用化を多角的に検証し、その未来像と残された課題について考える。

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