「陸の孤島」からの脱却!? 和歌山県新宮市は「新宮紀宝道路」開通で“首都”になれるか? 桃鉄の「聖地」を再考する
地域間の移動がますます重要視されるなか、紀伊半島における高速道路網の整備が進んでいる。この新宮紀宝道路の開通は、地域の交通インフラを強化し、物流や観光、医療分野での効率向上に寄与する。これにより、地域経済の活性化や持続可能な発展が期待されている。高速道路網の整備は、地域の競争力を高め、安全性の向上にもつながる重要な施策だといえる。
紀伊半島一周、高速道路整備進行中

この道路は、将来に向けた
「大きなパズルの一片」
といえる。現在、この道路は地域の渋滞緩和や災害時の代替路としての役割を担っているが、将来的には紀伊半島を一周する高速道路ネットワークの一部として機能する予定だ。その道のりは、まだまだ長い。
整備状況を見てみると、熊野道路(6.7km)では2024年2月にトンネル工事が着手された。和歌山県のすさみ串本道路(19.2km)は、完成が遅れているものの工事が進行中である。さらに、串本太地道路(18.4km)と新宮道路(4.8km)も用地取得や設計が進められている。
現在、紀伊半島の高速道路網は、西側が和歌山県西牟婁郡すさみ町のすさみ南インターチェンジ(IC)(紀勢自動車道)まで、東側は三重県熊野市の熊野大泊IC(熊野尾鷲道路、熊野道路)まで開通している。残る未開通区間は、両ICを繋ぐ串本周辺と和歌山・三重県境周辺の約70kmとなっており、全線開通時期は未定だが、工事は着実に進行中だ。
このように、新宮紀宝道路は紀伊半島一周の高速道路網を完成させるための重要な一歩であり、パズルの完成にはまだ時間がかかるが、完成すれば防災、医療、観光の新たな結節点としてこの地域が生まれ変わる可能性を秘めているのだ。