JR東日本も参入! バス・鉄道事業者のライドシェア事業は「タクシー業界」に影響ある? メリットとデメリットを解説、参入要件緩和で考える
鉄道・バス事業者のライドシェア参入が議論され、JR東日本が自社社員をドライバーに起用する新たな事業を開始する。地域交通空白地解消に向けた革新的な取り組みが進行中だ。
互換性問題が招くアプリ課題

ただし、そこにはいくつかのハードルもある。
地域のバス・鉄道事業者とタクシー事業者が良好な関係を保っていれば特に問題は起きないだろう。しかし、もしそうでない場合はどうなるのか。その場合、バス・鉄道事業者が国からタクシー事業の許可を取得する可能性がある。
ただし、それに対してタクシー事業者が反発するケースも想定できる。特に狭い地域では、そうした摩擦が生じるリスクがあるため、日本版ライドシェアを始める前に事業者間での調整が必要になるだろう。
さらに、日本版ライドシェア車両の配車方法をどうするのかという課題もある。例えば、元々DiDiを使っているタクシー事業者であれば、日本版ライドシェア導入後もDiDiのアプリで車両を呼び出せる仕組みを維持すればよい。
しかし、バス・鉄道事業者はこれまで配車アプリを活用した経験がない。もし地元のタクシー事業者とは異なる配車プラットフォームを導入してしまえば、互換性の問題が発生する可能性もあるだろう。
ここで重要なのが、各事業者の調整役として自治体が果たすべき役割だ。
交通の問題は、地域によって非常に繊細な話題になることがある。サービスエリアが過度に重複すると、価格競争が生じ、その結果サービスの質が低下したり、ドライバーの負担が増えたりする可能性がある。
こうした事態を避けるためには、事業者間の調整が欠かせないが、それは住民サービスにも直結する重要な課題だ。そのため、自治体が調停役として介入するのはごく自然な流れだといえる。もしこの役割を怠れば、日本版ライドシェアは本来目指すべき「暮らしの向上」を果たすどころか、
「争いの火種」
となってしまうだろう。