レガシィ・アウトバック生産終了! なぜこのタイミング? 築き上げたスバルの「独自技術」「信頼性」は、新世代モデルに継承できるのか?
スバルが国内市場から「レガシィアウトバック」を終了。北米市場を中心にグローバル戦略を強化し、電動化への投資を加速。日本市場では軽量コンパクトモデルにシフトし、少子高齢化の影響に対応する。
クロスオーバーSUVの幕引き

スバルは静かに確実に、ひとつの時代の終わりを迎えた。それは、冒険心を刺激するクロスオーバーSUV、「レガシィアウトバック」の国内販売終了だ。
この幕引きは、単なる一車種の終了を超えて、日本の自動車市場やスバルというメーカーにとって重要な意味を持つ出来事として映る。
なぜならこの決定は、スバルが直面する経営環境や、日本の自動車市場の変化、そして今後の自動車産業全体を見据えた戦略的な判断といえるからだ。
北米で輝く成功

1994(平成6)年に登場(日本では「レガシィグランドワゴン」の名称で翌年デビュー)したレガシィアウトバックは、
「SUVとステーションワゴンの融合」
という革新的なコンセプトで特に北米市場で大きな成功を収めた。当時、北米ではSUVブームが起こり、アウトドアレジャーを楽しむ層を中心に、
・悪路走破性
・積載性
を兼ね備えたSUVへの需要が高まっていた。
アウトバックは、ステーションワゴンの快適性とSUVの走破性を融合させることで、こうしたニーズに的確に応え、瞬く間に人気車種となった。水平対向エンジンとAWD(全輪駆動)という独自の技術を基盤に高性能を追求してきたスバルにとって、アウトバックの成功はグローバルブランドとしての地位を確立する大きな契機となり、以降、北米市場における主力モデルとして成長をけん引してきた。
北米市場でのアウトバックの成功は、スバルをグローバルブランドへと押し上げた。米国の消費者情報誌「コンシューマー・レポート」による2024年12月の自動車メーカー評価では、総合ランキングと信頼性で1位を獲得している。この評価は、2025年3月末でアウトバックの日本展開が終了する一方、北米では販売継続を決定した背景を示している。