冷凍食品ブームで「倉庫」がパンク寸前! 主要都市の占有率「90%台」という厳しい現実、物流網ひっ迫で解決策はあるのか?

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拡大する冷凍食品ブームの影響で、冷凍冷蔵倉庫が深刻な問題を抱えている。倉庫は常に満杯状態が続き、老朽化やフロンガス規制といった課題を抱えているが、建て替えも簡単には進まない。このままだと、冷凍食品の供給にも影響が出る恐れがある。

一筋縄ではいかない解決

冷凍倉庫(画像:写真AC)
冷凍倉庫(画像:写真AC)

 筆者(坂田良平、物流ジャーナリスト)が前回書いた記事「クール便の危機! 溶けたら一発アウト! 冷凍食品ブームに隠された「品質維持」の苦悩、“置き配”すらできない現実とは」(2025年1月5日配信)では、拡大する冷凍食品マーケットにおいて、EC・通販における個人宅への冷凍冷蔵食品配達を担うクール便が直面する構造的な課題について解説した。

 多くの人は、

「物流の問題 = 輸送の問題(特にトラック輸送)」

と考えることが多い。例えば、大規模災害時に支援物資が被災地に届かない事態が発生すると、「輸送プロセスに問題がある」と思いがちだ。

 しかし、東日本大震災において最も大きな課題は、「支援物資が被災者に届かない」というよりも、物流センター機能を備えた集積所のキャパシティオーバーだった。大量の物資が集積所に集中した結果、受け入れと仕分けが追いつかず、出庫が滞ったのだ。

 実際、宮城県内の一次集積所では、震災が発生した3月11日以降の3月18日から31日までの間、3月21日を除いて、すべての日において入庫量が出庫量を上回っていたと、日本通運のレポートに記録されている。このように、保管や仕分けといった倉庫機能が、物流全体や商品の供給に大きな影響を与える可能性があることは忘れてはならない。

 冷凍食品マーケットは今後も拡大していくことが予想される。さらに、冷蔵・冷凍が必要なのは食品だけでなく、

・薬品
・化学品

にも低温輸送が必要なものが存在するため、冷凍冷蔵倉庫の課題は、こうした分野にも悪影響を及ぼすリスクがある。

 しかし、冷凍冷蔵物流を支える輸送と倉庫のプロセスには、どちらも構造的な課題が存在する。しかも、これらの課題は簡単には解決できない、非常に困難な問題なのだ。

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