冷凍食品ブームで「倉庫」がパンク寸前! 主要都市の占有率「90%台」という厳しい現実、物流網ひっ迫で解決策はあるのか?

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拡大する冷凍食品ブームの影響で、冷凍冷蔵倉庫が深刻な問題を抱えている。倉庫は常に満杯状態が続き、老朽化やフロンガス規制といった課題を抱えているが、建て替えも簡単には進まない。このままだと、冷凍食品の供給にも影響が出る恐れがある。

老朽化倉庫の現状

都内の冷凍倉庫群(画像:写真AC)
都内の冷凍倉庫群(画像:写真AC)

 冷凍冷蔵倉庫が抱える課題は、これだけではない。

 例えば老朽化が挙げられる。一般的に、冷凍冷蔵設備の耐用年数は25年、冷凍冷蔵倉庫の建て替え目安は40年とされているが、実際には冷凍冷蔵倉庫のおよそ3割が築40年以上、築30年以上まで含めると、およそ6割に達する。

 また、フロンガスも問題だ。旧来の冷凍冷蔵倉庫で使用されてきたフロンガスは、地球温暖化の原因となるため、国際的にはモントリオール議定書によって規制されている。そのため、アンモニア、二酸化炭素、水、空気、炭化水素などの自然冷媒を使用した冷凍冷蔵装置への切り替えが進められている。こういった状況を考えると、

「冷凍冷蔵倉庫そのものを建て替えればよい」

と思う人もいるだろう。しかし、簡単な話ではない。もちろん、コストもかかり、建て替え期間中に一時的に荷物を保管する代替倉庫も必要になる。しかし、冷凍冷蔵倉庫はすでに満杯状態が続いており、新たな保管先が限られている。

「だったら、先に新しい倉庫を立てれば?」

という声も聞こえてきそうだが、今度は土地が問題だ。特に、冷凍冷蔵倉庫が集まる湾岸地区は物流用地だけでなく、商業用地としても非常に人気がある。

「土地の入札で商業施設と競合した場合、勝ち目がない」

と、物流不動産ディベロッパーから嘆きの声も聞こえてくる。地価の比較的安い内陸部に冷凍冷蔵倉庫を移設するという方法も考えられるが、そこには倉庫作業員の問題がついて回る。冷凍冷蔵倉庫での作業環境は、5度以下が一般的で、マイナス25度といった過酷な環境もある。こうした厳しい状況で働いている倉庫作業員が、倉庫が移転することで離職する可能性が高いのだ。さらに現在は人手不足が深刻で、新たに作業員を確保する保証もない。

「じゃあ、機械化して、ロボットを使えばいいよ」

という意見もある。確かに、多くの倉庫で自動化やロボットの導入が進んでいるが、一部の先進的な冷凍冷蔵倉庫でも、自動化にともなう誤作動や不具合が報告されている。冷凍倉庫における自動化・省人化の取り組みはまだ道半ばなのだ。

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