マツダの独自すぎるエンジン戦略! 直6・ロータリー・SKYACTIV-Zで爆走、他メーカーと一線を画す革新技術とは
独自戦略のエンジン戦略

マツダは国内自動車シェアが4%と中堅クラスのメーカーだが、ここ数年でエンジンのラインナップを大幅に刷新し、独自の戦略を見せている。他社にはないエンジンを取り入れることで、大手メーカーに埋もれることなく、商品力を高めようとしている。
自動車のエンジンには、小型の3気筒エンジンから、大型の8気筒、10気筒、12気筒エンジンまでさまざまな種類があるが、年々エンジンは小型化が進んでいる。コンパクトなエンジンでも、以前より大きなパワーを発揮できるようになり、軽量化や搭載スペースの確保のためにも小さなエンジンの方が効率的だ。そのため、世界中の多くのメーカーはこの流れに乗り、3気筒や4気筒エンジンが主流となり、高級セダンや大型SUVにも4気筒エンジンが増えてきている。6気筒以上の大型エンジンは姿を消しつつある。
そのなかで、マツダが現在ラインナップしているエンジンは次のとおりで、これらは世界でもマツダにしか見られない。
・直列4気筒エンジン(ガソリン、ディーゼル)
・直列6気筒エンジン(ディーゼル)
・ロータリーエンジン(ガソリン)
マツダの主力車種であるなか、小型車は4気筒のガソリンエンジンやディーゼルエンジンを搭載しているが、4気筒よりも長くて大きな直列6気筒エンジンがこの時代に新たに開発されたことは驚きだ。このエンジンは2022年に発売された大型SUV「CX-60」に初めて搭載され、マツダのフラッグシップモデルとなる高級車の魅力のひとつとなっている。
大きなエンジンを搭載するためには車自体も大きくなるが、直6エンジンは直4エンジンのノウハウを多く流用できるため、開発の難易度は下がり、意外にもスムーズに開発が進んだようだ。
直6エンジンは今では、メルセデス・ベンツやBMWなどの欧州メーカーが一部残すのみで、ほぼ絶滅状態だが、そのなかでマツダは大きな存在感を示している。直6エンジンが本来持っている素性のよさは高級車向けエンジンとしてふさわしく、国内でもCX-60やCX-80でこのエンジンに触れられるのは興味深い。