Suicaが進化したら「改札」消滅? タッチ不要「ウォークスルー方式」に賛否両論! 位置情報活用で「行動バレる」「大きな改革」の声
自治体協力による地域活性化

近年の人手不足により、駅員が配置されていた駅が次々と無人化されている。
このような駅や地域には、デジタルトランスフォーメーション(DX)化を進めて人手を補うことが求められ、
「自治体」
が関わることで、さらに複合的なサービスの構築が可能になるだろう。実際、JR東日本はプレスリリースで次のように発表している。
「現在、自治体と当社のMaaSの連携にて実現している移動と地域のDXモデルを地域連携ICカードとの統合により拡張し、各地域に根差した「ご当地Suica(仮称)」を創り、地域の生活における新しい当たり前にしていきます」
炎上騒ぎが生んだ個人情報保護改革
利用者の位置情報を活用する仕組みは、プライバシーに直接関わる問題であり、新しいSuica導入に対しては、前述のとおり「自分の行動記録が他人に閲覧されるのではないか」という懸念の声が上がっている。
さらに、JR東日本は過去にSuicaデータの利活用を巡る問題で
「炎上騒ぎ」
を引き起こしている。2013(平成25)年7月、JR東日本は日立製作所にSuicaのデータを提供する計画を立てたが、その過程で利用者への説明が不十分だったため、SNSを中心に大きな批判を受けた。
JR東日本にも問題がなかったわけではない。利用規約にパーソナルデータの第三者への提供についての記載がなく、データ提供を拒否する手段も整備されていなかった。
この問題は後に個人情報保護法の改正を促進する契機となり、個人データの提供時には記録を残し、オプトアウト方式を採用するなど、データ取り扱いに関する規定が厳格化された。オプトアウト方式とは、利用者が自分の情報の収集や利用を拒否する手続きを選ぶ方式だ。この方式では、利用者の情報が自動的に収集・利用される状態から始まり、利用者がその利用を停止したい場合に、設定変更などで拒否することが求められる。
皮肉にも、この炎上騒ぎが法律の不備を是正するきっかけとなった。