Suicaが進化したら「改札」消滅? タッチ不要「ウォークスルー方式」に賛否両論! 位置情報活用で「行動バレる」「大きな改革」の声

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JR東日本は「モバイルSuica」を進化させ、位置情報を活用したウォークスルー改札を開発中。無人駅や混雑駅の課題解決に向け、データ活用や地域連携で新たな交通基盤構築を目指す。この次世代Suicaが描く「改札のない未来」に注目が集まる。

センターサーバー化で改札革命

センターサーバー化により、Suicaには様々な仕組みが導入される(画像:JR東日本)
センターサーバー化により、Suicaには様々な仕組みが導入される(画像:JR東日本)

 JR東日本は、今後10年間でSuicaをデジタルプラットフォームへと進化させ、機能を順次グレードアップすることを発表。

 これにより、Suicaは「移動のデバイス」としての従来の枠を超え、交通や決済にとどまらず、地域社会の日常生活の中で広く利用される「生活のデバイス」へと変わることを目指している。

 この進化の中核となるのが、

「Suicaのセンターサーバー化」

である。従来、カードやスマートフォンのICチップは情報を記録する「中継地点」として機能していたが、今後はセンターサーバーが膨大な情報を一元管理する仕組みに移行する。

位置情報活用で改札革命

Suicaは今後10年で仕組みが大きく変わる予定(画像:JR東日本)
Suicaは今後10年で仕組みが大きく変わる予定(画像:JR東日本)

 現在、Suicaはカードやスマートフォンを自動改札機にかざす「タッチ&ゴー」方式だが、センターサーバー化により、スマートフォンの位置情報を活用した

「ウォークスルー改札」

が実現する見込みだ。これにより、鉄道利用時にタッチが不要となり、改札機が設置されていない駅でも「位置情報を活用した改札」が可能になるという。

 いい換えれば、スマートフォンをポケットやバッグに入れたままでも改札を通過でき、キセル行為とはならない。次世代のキャッシュレス乗車は、デバイスを取り出す手間すら省くことになる。

10年以内の実現は未知数

自動改札機がなくなる日は来るのか(画像:JR東日本)
自動改札機がなくなる日は来るのか(画像:JR東日本)

 ウォークスルー改札が全国の全ての駅で十分に機能するかは不確実だ。利用者の少ない駅では問題ないだろうが、

・山手線
・中央線

など、通勤ラッシュが激しい駅で本当に機能するかは疑問が残る。このような課題に関しては、Suica導入時と同様に、実証実験を重ねることが必要だ。Suicaは2001(平成13)年に導入されたが、その前に何度も実証実験が行われ、その様子は映像として残っている。

 現時点でウォークスルー改札の実証実験すら計画されていないため、都心の駅で

「10年以内に実現する保証はない」

といわざるを得ない。解決すべき課題は多く残されている。ただ、通勤ラッシュが激しい地域に先行するのではなく、過疎化が進む地域に先に導入する選択肢も考慮するべきだろう。

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