鉄道の使命、やはり「利益追求」だけではない? 英国「再国有化」が示す民営化の限界とは

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英国の鉄道民営化が失敗に終わり、再び国有化へと進んでいる。30年の民営化を経て、利益が株主に流れ、インフラ投資が遅れた結果、税金投入による矛盾が浮き彫りに。鉄道事業の社会的側面を無視した民間企業の限界が明らかに。

鉄道民営化の最大の問題は利益の流出

1990年代の民営化を経た結果、英国民に法外な価格と過剰に複雑な鉄道システムが残されたとして、それを再国有化するという考えを広める活動を行っている圧力団体「Bring Back British Rail」のウェブサイト(画像:Bring Back British Rail)
1990年代の民営化を経た結果、英国民に法外な価格と過剰に複雑な鉄道システムが残されたとして、それを再国有化するという考えを広める活動を行っている圧力団体「Bring Back British Rail」のウェブサイト(画像:Bring Back British Rail)

 民営化のメリットは、競争を意識した

・サービス向上
・政治の不介入
・効率的な運営
・人員削減

などがあげられる。英国国鉄の解体では、さらに

・労働組合の弱体化
・株式売却による国庫の収益

が重要視されていた。これにより、英国国鉄がいくつもの会社に分割された結果、組合組織が瓦解(がかい)し、職員一丸となって

「鉄路を守る文化」

が失われるどころか、技術継承すらままならなくなった。さらには、本来ならあまりもうからないレール・トラック社まで国庫の収益のために株式を売却され、安全より利潤追求にかじを取ることとなる。

 英国の鉄道国営化に関する記事をいくつか読んでいると、鉄道民営化の最大の問題は、

「鉄道収入で得られた利益が、鉄道利用者や線路の維持、設備投資に還元されるのではなく株主へ流出すること」

との指摘があった。

・運行会社
・車両リース会社
・インフラ会社

は、全く別個の会社であり、運行会社がいくらもうけようと、車両リース会社、インフラ会社には還元されない。このため、車両リース会社、インフラ会社は、設備を維持するにしても、設備投資をするにしても税金の投入が必要となった。

 さらには、利用客が少ない路線の場合、運行会社は税金を投入して補填されている。つまり、多額の税金を投入されながら、個々の会社は利益確保に走り株主に配当する矛盾。だったら

「1社にまとめて国営でいいのでは」

となるのも無理もない。

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