5人乗り車で「6人乗れる」理由とは? 子どもを乗せるときの定員計算、法的にはOKでも安全対策が必須なワケ

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子どもを乗せる際のクルマの乗車定員、正しく理解しているだろうか。ホンダアクセスの調査では、34.5%のドライバーが次に購入するクルマで「家族で乗ること」を意識していると答えている。12歳未満の子どもは1.5人分としてカウントされ、乗車定員を超えても違反にはならない。ただし、シートベルトやチャイルドシートが足りない場合があり、事故のリスクを減らすためにも安全対策を徹底することが求められている。

子どもの安全、定員超過のリスク

クルマに乗っている子どもたち(画像:写真AC)
クルマに乗っている子どもたち(画像:写真AC)

 子どもが同乗する場合、乗車可能人数が変わることについて説明したが、本来の定員を超えて乗る場合、いくつかの問題が生じることがある。例えば、

・シートベルトが人数分ない
・チャイルドシートを人数分装着するのがスペース的に難しい

などの問題だ。

 しかし、道路交通法施行令には「座席ベルト及び幼児用補助装置に係る義務の免除」があり、乗車定員以内であればシートベルトやチャイルドシートが足りない場合、その着用や取り付け義務は免除され、罰則の対象にはならないという規定がある。この法律は

「物理的に足りない場合には着用しなくてもよい」

という内容だが、子どもの安全については十分に考慮されていないともいえる。しかし、この点が広く知られていないのではないかという懸念もある。

 警察庁のウェブサイトに掲載されたデータによると、2014年から2023年にかけての「後部座席シートベルト非着用時の致死率(死傷者数に占める死者数の割合)」では、シートベルトを着用せずに事故に遭った場合、高速道路では着用時の

「約25.9倍」

一般道では約3.3倍も致死率が高くなるという結果が示されている。また、チャイルドシートを使用しなかった場合、2019年から2023年の合計で、適正使用者と比べて約4.2倍も高い致死率が記録されている。

 そのため、親はシートベルトの着用やチャイルドシートの使用を優先しつつ、乗車人数を考える必要がある。また、子どもを定員より多く乗せる場合は、親が子どもの安全を守るための対策を講じることが求められる。

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