「子持ち様」批判は大間違い! 子連れに優しい社会は「独身者」にも優しい社会だ クルマ目線で考える

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子連れを優遇することを皮肉った「子持ち様」という言葉が、SNS上で物議を醸している。ただ、自動車業界において、子育て世帯は重要な顧客層であり、安全性や技術の進歩にも影響を与える。

「子持ち様」論争の行方

家族と自動車(画像:写真AC)
家族と自動車(画像:写真AC)

 SNS上では日々新しい言葉が生まれ、ときには激しい議論の対象となる。最近、その争いに加わり、メディアでも取り上げられるようになった言葉が「子持ち様」だ。

 この言葉は「様」という敬語を付けて皮肉な意味で使われるもので、独身であることとは対照的に、子どもがいることで得られるさまざまな優遇や配慮を指している。

 例えば、共働き世帯では、子どもの急な体調不良で仕事を休んだり、早退したりすることも珍しくない。このような社員のために他の社員が割を食っていることへの批判がSNSに投稿され、賛否両論を巻き起こしている。

 一昔前とは異なり、結婚適齢期の男女にとって、結婚に対する社会的プレッシャーは小さくなっている。特に大都市では、

・結婚するかしないか
・子どもを産むか産まないか

についても、個人の意思を尊重する雰囲気が徐々に醸成されつつある。

 しかし、子育て世帯には就労制度だけでなく税制上の優遇措置もあるため、「子持ち様」をめぐる議論はしばらく続きそうだ。

 議論は白熱しているが、サービス業や飲食業などあらゆる分野で「子持ち様」の存在は無視できない。商品開発において、子連れの消費者をまったく考慮せずに商品開発を進められる業界は限られている。

 特に自動車業界では「子持ち様」が大きな力を持っており、ミニバンの購入ターゲットとして重要視されている。もはや子育て家庭を無視したクルマ作りは不可能なのである。

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