「悪夢再び」 小泉進次郎の規制緩和は「トラック業界」を再び破壊するのか? 親子二代にわたる労働環境悪化の辛らつ現実
過労を招く労働環境の懸念

では、進次郎氏は具体的にどのような規制を改革しようとしているのだろうか。これまで氏は次のような政策を掲げている。
●解雇規制の緩和
進次郎氏は、大企業の解雇ルールを見直し、人材の流動性を高めることを提案している。具体的には、解雇が認められる要件を変更し、企業が解雇に踏み切る前に希望退職者を募集したり配置転換を行ったりする義務を、大企業に限って撤廃することを考えている。その代わりに、リスキリングや再就職支援を企業に義務付けるとしている。
●労働時間規制の緩和
進次郎氏は、希望者に対して労働時間の上限を緩和する考えを示している。これは、労働者の多様な働き方を支援するという名目で提案されているが、実際には長時間労働を助長する可能性が高い。
さらに、地方の移動の不便を解消するために、
「ライドシェアの全面解禁」
を実施することも示している。筆者(樋口信太郎、バス・トラック評論家)は、これらの政策提案が
・トラック業界
・交通関係全体
に深刻な影響を与える可能性があると考えている。解雇規制の緩和は、厳しい労働環境にあるトラック運転手の雇用をさらに不安定にする恐れがある。労働時間規制の緩和は、過労運転による事故リスクを高める可能性がある。ライドシェアの全面解禁は、既存のタクシー業界やバス業界に大きな打撃を与え、地方の公共交通システムを崩壊させる危険性もある。
これらの政策は、一見すると経済の活性化や利便性の向上をうたっているが、実際には労働者の権利を脅かし、安全性を低下させ、地方の交通インフラを弱体化させる可能性が高い。
進次郎氏の政策提案を詳しく見ていくと、父・純一郎氏の政策との類似性が浮かび上がる。親子に共通しているのは、“小さな政府”を実現し、規制緩和を通じて経済を活性化させるという方針だ。つまり、進次郎氏は父の政策理念を踏襲しつつ、新たな分野へと拡大しようとしている。