ウクライナ侵攻で自動車輸出が壊滅的危機に どうなる北海道「対ロ貿易」

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ウクライナ戦争で、北海道の対ロ貿易は中断を余儀なくされている。自動車輸出は壊滅状態となっている。

低下し続ける北海道の存在感

北海道とサハリンのユジノサハリンスク、コルサコフとの位置関係(画像:(C)Google)
北海道とサハリンのユジノサハリンスク、コルサコフとの位置関係(画像:(C)Google)

 対ロ貿易のルートは1991(平成3)年12月のソ連崩壊以降、活発に整備されてきた。その背景には北海道各所の産業の衰退がある。

 例えば、かつて漁業で繁栄した根室市も2016年以降、北洋サケ・マス漁業が中断。近年はサンマ漁の衰退もあり、2020年に、記録に残る限りでは初めて水揚げ量が5万トンを下回った。

 根室市はこれを受けて、根室地域と北方四島(択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島)に限定した「地域間交流の特区」の設置を構想している(『北海道新聞』2022年1月16日付夕刊)。この構想の前提になるのが、四島との航路開設である。

 貿易の活発化をにらみ、北海道とロシア各地を結ぶ交通路や経済拠点の整備は、1990年代から何度も試みられてきた。

 1994年には函館とサハリンのユジノサハリンスクを結ぶ航空路線が就航、1995年には稚内とサハリンのコルサコフ間に定期フェリーが実現した(いずれもその後休止)。交流拠点も、1994年に北海道貿易物産振興会ユジノサハリンクス事務所が開設されたのを皮切りに、2001年には北海道サハリン事務所が開設されている。

 その後、ロシアからの液化天然ガス(LNG)輸入が開始されるなど、貿易は活発化した。結果、前述のとおりロシアからの輸入額は存在感を増したものの、ロシアへの輸出の割合は低調である。

 冷戦後、北海道はロシア極東地域との関係に労力を割いてきたが、それがうまく行っているとは言い難い。その理由は、

・北海道とロシアを結ぶルートの弱さ

にある。

 北海道庁は2020年6月に『北海道・ロシア地域間交流推進方針』を策定しているが、このなかで現状について次のように記している。

「上記のような交流を進めてきた中、本道のロシアとの貿易額や来道するロシア人数などの数量的状況は、次のとおりとなっており、ロシア人来道者数について肯定的な動きが見られるものの、特に近年の人・モノの流れにおける日本全体の中での本道割合の低下が顕著です」

 ここから読み取れるのは、対ロ貿易・経済交流が全国的に活発になっているなかで、北海道の存在感が低下していることへの危惧だ。

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