小田急ロマンスカーの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない【リレー連載】偏愛の小部屋(2)

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都市工学者が愛する小田急ロマンスカーの魅力。展望席からの風景と連接車の技術革新を称賛し、小田急のブランド力と歴史的な重みを語る。

やばいポイント2「高速鉄道時代を開いた元祖」

SE車3000形(画像:小田急電鉄)
SE車3000形(画像:小田急電鉄)

 1957(昭和32)年に登場した本格的なロマンスカーの始祖であるSE車3000形は、当時の鉄道車両としては驚異的な技術力を誇っていた。SE車には、当時としては素晴らしい次の技術が採用されていた。

・車体の強度を保ち軽量化も可能なモノコック(張殻)とハニカム(蜂の巣)の新規採用。
・模型を使って繰り返した風洞実験の成果を反映した流線型の前面。
・軽量化と並行して、車体の走行安定性を維持するための重心低下。

等の航空技術が応用され、まさに航空イノベーションと鉄道車両の融合の一例として知られている。

 そして、ロマンスカーといえば「連接台車」である。車両と車両の間に台車を設ける方式である。耐荷重に課題があるとの指摘もあるが、

・カーブでの通過
・編成単位での軽量化
・快適な乗り心地の実現

などのメリットがあるとされている。SEとその後のNSE3100形、LSE7000形、HiSE10000形,VSE50000形に採用された

 東洋電機製造の「中空軸平行カルダン駆動方式」、近畿車両がライセンス生産したスイスの「シュリーレン台車」、現在の東芝製制御装置などが、性能と車両の軽量化に貢献するとして採用された。

 また、国鉄東海道本線の高速試験で時速145kmを記録し、当時の狭軌鉄道の世界記録を樹立した。この設計は、新幹線0系の誕生にも影響を与えた。この伝統を感じながらロマンスカーに乗るのもまた、味わい深い。

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