海運最大手マースクが「アルコールランプの燃料」で動く大型コンテナ船を発注 いったいなぜ?

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マースクが、メタノール燃料コンテナ船を2025年までに最大12隻導入すると発表した。同社は、2040年までにグループ全体で温室効果ガス排出量を正味ゼロにする目標を掲げている。環境に優しい代替燃料の本格的な導入に向けた取り組みが行われている。

航空機などへの展開も視野に

 さらに同年9月には、都市ごみや農業廃棄物を航空燃料やグリーンバイオメタノール、再生可能天然ガスに転換することに取り組む米カリフォルニア州のスタートアップ、ウェイスト・フューエル(Waste Fuel)に投資すると発表。

 同社はマースクの投資によって、従来の処理方法では分解し、メタンなどの有害なガスを大気中に放出する廃棄物から持続可能な燃料を生産するバイオリファイナリープラントを開発できるようになった。

 マースクは「グリーンバイオメタノールは今後10~15年以内に規模を拡大し、サプライチェーンの脱炭素化に重要な役割を果たすことができる、将来有望な燃料のひとつ」としており、船舶だけでなく、航空機やトラック輸送への展開も探っている。

 国際海運のGHG排出削減を進めるため、国内外では環境に優しい代替燃料の本格的な導入に向けた取り組みが行われている。近年では低炭素燃料として液化天然ガス(LNG)を採用した大型船が話題になっているものの、日本郵船などはGHGを排出しない脱炭素燃料が導入される前のブリッジソリューションとの認識を示しており、水素やアンモニア、メタノール、合成燃料といった次世代燃料の開発競争はさらに激しさを増していくと見られる。

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