「アンモニア燃料時代」ついに到来か 住友商事×大島造船 世界に先駆け貨物船開発へ

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住友商事が世界に先駆け、アンモニア焚き貨物船の開発に乗り出す。脱炭素に向け、LNGなどの次の燃料と目されているアンモニア燃料船が現実味を帯びてきた。同社は船の建造だけでなく、アンモニアのサプライチェーン構築も目指す。

全長200m超サイズでアンモニア焚き船を開発へ

大島造船所大島工場(深水千翔撮影)。
大島造船所大島工場(深水千翔撮影)。

 住友商事は2021年12月27日、同社グループの大島造船所と共同で、世界に先駆けてアンモニア焚きバルカー(ばら積み貨物船)の設計・開発を進めると発表した。船型は8万~8万1000重量トン型のカムサマックスで、2025年中の竣工を目指す。竣工後は、同船の保有・運航を通じて、バルカー需要家におけるサプライチェーン排出量の削減に寄与する。

 アンモニアは水素と窒素の化合物で、燃焼時にCO2(二酸化炭素)を排出しないという特長を持つ。水素に比べて液化保存が容易で運搬コストが低いため、一度に長距離を航行する外航船舶の代替燃料や火力発電所の燃料、水素のエネルギーキャリアとしての活用が期待されている。

 住友商事は、アンモニア焚きバルカーの設計・開発において、大島造船所を中心とした社外パートナーに加え、2021年7月に社内で発足した「アンモニア組織横断プラットフォーム」と共同で船体の開発から燃料供給などの航行環境の整備も進めていく。このプラットフォームは、全社横断で上流から下流にわたってアンモニアやメタノール、バイオ燃料の活用に向けた検討を行うもので、同社水素事業部を中心に、船舶事業部、エネルギートレード部、石炭・原子燃料部、鋼材事業部、コモディティビジネス部、無機化学品部、電力インフラの第7部で構成されている。GHGを削減しゼロエミッションを実現する、社を挙げた大きなプロジェクトになる。

 設計・開発を進めるバルカーの想定スペックは次の通り。

・全長229m
・船幅32.26m
・深さ19.98m
・計画喫水12.20m
・満載喫水14.47m
・載貨重量8万~8万1000重量トン
・船速14.3ノット(約26.5km/h)